果実の喜び溢れる【ぶどうの産地】北代あらやしき農園へ
ここは、上越市三和区の水科古墳公園。
三和区は、天然のブナ林が美しい風巻神社や上越名家の林富永邸もあり、古来の風情を感じられる緑豊かな土地です。
そして、三和区北代から浦川原区山本までの丘陵地にはぶどう畑が続いています。
秋の実りを迎えた、北代あらやしき農園にお邪魔させていただきました。
上越市三和区でぶどう栽培する
西條フキさんと孫の藤縄成海さん
西條フキさんは、昭和39年にぶどう農園を三和区北代で始める。
国有地だった北代は、戦後にその土地を5軒に分け、一から開墾したのが北代ぶどう園の由来。
たばこ栽培から始め、翌年にぶどう栽培に着手し、北代あらやしき農園を開業。
孫の藤縄成海さんは、農業大学校を卒業後、一年の社会人経験を得て、北代あらやしき農園の後継者として日々奮闘中。
北代あらやしき農園について
農園の規模は、50アール。
20種類のぶどうの木々と新品種の6種類のぶどうの木々を育てている。
ぶどう栽培は、天候に左右されやすいが、毎年新しい品種に挑戦している。
自分なりに研究することが多いぶどう栽培、良い年と悪い年もあるけれど、面白いの!と嬉しそうに話す西條フキさん。
目配り気配り心配りを大切に栽培
ぶどう栽培には、手間がかかる。
春は花が咲く前に、房ごしらえ【房作り】からスタートする。
実すぐり【摘果】の大変な作業を終えてから、一房一房、袋をかける作業。
袋をかけてからも、病気や虫の被害を受けていないか、一粒一粒に目を配る。
ぶどうの木は植えてから1年目、2年目は実を落とし、3年目くらいから、数房ずつ成らせます。
出荷ができるようになるまで、6年から7年の歳月を費やすそうです。
甚大な被害をもたらした冬の大雪
積雪の重みに耐えきれず、斜めに傾くぶどう棚の支柱。
藤縄さんが除雪を担当した。
家族の手伝いもありながら、ぶどうの木を傷つけないように手作業で行った。
やっとの思いで除雪を終えたが、次の日また同じ量の雪が積もった。
悔しい思いを胸に立て直しに全力を注ぐ
大雪の被害で、長年育ててきたぶどうの木が10本以上折れてしまった。
いろんな思いがあったが、やむを得ず、伐採した。
悲しんでいる暇もなく、壊れたぶどう棚の片付け作業に追われた。
新たに注文したぶどう棚の支柱は400本。
設置作業も容易ではない。
大変な作業の中での原動力は、ぶどうを楽しみに待っていてくれる子供たちやお客様の笑顔のため。
豊かな実りに感謝し秋を迎える
ぶどうに含まれるポリフェノールの一種、アントシアニンには、抗酸化作用があり、視機能の向上、肝機能の改善、メタボリックシンドロームや血糖値上昇の抑制などにも期待ができます。
ヨーロッパでは牛乳のように、栄養価が高いことから畑のミルクとも呼ばれ、美腸・美肌効果のあるペクチン、ビタミンE、ビタミンB、カリウム、亜鉛、鉄、銅など、万能な栄養素が盛りだくさんです。
全国発送ができる日を待ちわびて
今年は、出荷できる品数が例年よりも少なく、残念ながら、発送はストップしている状態。
北代あらやしき農園は、ぶどうの種類が豊富なので、違う種類のぶどうを詰め合わせたセットも人気があります。
今年の直売所の販売期間は、8月下旬から9月中旬までの予定。
来年も、木や棚の修復に時間がかかるため、同程度の期間を見据えてほしいとのこと。
ぶどうのベストな食べ方とは!?
朝一番に収穫したぶどうをすぐにいただくほうが甘みをダイレクトに感じられる食べ方。
粒の色も綺麗に見えるそう。
ぶどうは、常温で置くなら3日くらいまで。
冷蔵庫での冷やしすぎは糖度の低下につながるので、食べる少し前に冷やすのがポイント。
気軽に手に取れる販売を目指して
大潟ショッピングセンター内にある、新潟県産の【ゆきちから】を石臼で自家製粉するパン屋さん、ベーカリーハレノヒさんの店舗の一角に店主の杉田さんのご厚意で、今年からぶどうを置かせてもらっている。
直売所に行けないお年寄りに大変喜ばれているそう。
近隣のセブンイレブンさんやあるるん畑さんでも販売をしている。
まだ入荷は不定期だが、安定的に出荷ができるようになりたいですと目標を掲げる藤縄さん。
孫へと受け継がれる挑戦への希望
今年の雪害で離農されたぶどう農家さんの畑をこれから新たに、一から任される藤縄さん。
小さな頃から慣れ親しんだ、ぶどう畑が大好きだった。
亡き祖父との思い出もたくさんあり、家族や親戚が集うこの場所は、繋がりを感じられる場所。
将来自分の子供ができた時に、同じようにそうあり続けてほしいとお話してくださいました。
孫へと受け継がれる挑戦スピリットに感動!
北代あらやしき農園さんに3♡ラブ&ピース